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上野竜生です。√を含む複雑な式の代入は地道に計算する必要がありません。割り算の余りを使った解法がありますので紹介します。

 

高次式の値

例題1

\( \alpha=\frac{1+\sqrt{5}}{2} \)のとき,\( \alpha^3+\alpha^2+3\alpha \)の値を求めよ。

まずは地道に解いてみます。
\(\displaystyle \alpha^2 = \frac{6+2\sqrt{5}}{4}=\frac{3+\sqrt{5}}{2} \)
\(\displaystyle \alpha^3= \frac{3+\sqrt{5}+3\sqrt{5}+5}{4}=2+\sqrt{5} \)
より\(\displaystyle 2+\sqrt{5}+\frac{3+\sqrt{5}}{2}+\frac{3+3\sqrt{5}}{2}=5+3\sqrt{5} \)
この程度なら計算量もまだマシですが,4次式以上になるともっと大変ですね。割り算の余りを使った解法なら汚い√の値は最後に代入するだけなので少し楽になります。(この程度ならあまり変わらないように見えますが・・・)

答え\( \alpha \) はx2-x-1=0の解である。・・・①
f(x)=x3+x2+3xとおくと
f(x)=(x2-x-1)(x+2)+6x+2なので・・・②
\( f(\alpha)=5+3\sqrt{5} \)・・・③
① x2-x-1の求め方
\( \alpha=\frac{1+\sqrt5}{2} \)
\( 2\alpha=1+\sqrt{5} \)
\( 2\alpha-1=\sqrt{5} \)
\( (2\alpha-1)^2=5 \)
\( 4(\alpha^2-\alpha-1)=0 \)
なのでx2-x-1=0の解。もちろん解の公式と係数比較してもいいですよ。
② この計算はf(x)をx2-x-1で割った商がx+2,余り6x+2であることを表現しているだけです。実際に割り算の筆算をすればx+2や6x+2は求められます。
③ α2-α-1=0なのでf(α)=0×(α+2)+6α+2=6α+2とわかります。
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例題2

x3-3x+4=0の実数解を\( \alpha \)とする。f(x)=x4+3x3-3x2-5xとするとき
\( f(\alpha) \)の値を求めよ。
 3次方程式の解の公式はありますが,高校範囲外ですしそれを使って解け!と言ってるわけではありません。こういうときは地道には解けなくなるので今回学んだ解法しか使えなくなります。なおある程度カンのいい人なら割り算した余りは定数だろうな・・・と予想できますね。
(∵理論上は余りが定数とは限らないが余りが1次式や2次式だと結局解を求める必要がでてくるため)
答えf(x)をx3-3x+4で割ると商がx+3,余りは-12だから
f(x)=(x3-3x+4)(x+3)-12
よってf(α)=(α3-3α+4)(α+3)-12=0(α+3)-12=-12
 例題2のような形になると地道計算もできず,この解法が生きてきますね。

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