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上野竜生です。確率の基本となる和事象の確率と,そこから派生される確率の和を勉強していきましょう。

和事象の確率

 

前回に引き続き,使う公式は次の通り。

POINTAが起こる確率をP(A),Bが起こる確率をP(B),AかつBが起こる確率をP(A∩B)とする。このときAまたはBが起きる確率P(A∪B)は
P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B)

前回はP(A∩B)はP(A)やP(B)から計算できる場合もあるが一般には個別に求めるということ,それと単純なP(A)の求め方などを紹介しました。さて今回はこの公式をフルに使ってさらに複雑な確率を求めます。

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例題1

1から30までの数字が書かれたカードが1枚ずつある。この中から無作為に1枚のカードを選ぶとき,引いたカードの数字が3の倍数または3がつく数字である確率を求めよ。

この程度なら実際に書き出してもできますがこれを今回使う公式を用いた計算で解きます。

答え「3の倍数」である確率は\( \frac{10}{30}=\frac{1}{3} \)
「3がつく数字」は3,13,23,30の4枚なので確率は\(\frac{4}{30}=\frac{2}{15} \)
「3の倍数かつ3がつく数字」は3,30の2枚なので確率は\(\frac{2}{30}=\frac{1}{15} \)
よって3の倍数,または3がつく数字である確率は
\(\displaystyle \frac{1}{3}+\frac{2}{15}-\frac{1}{15}=\frac{6}{15}=\frac{2}{5} \)
共通テストなど結果が重視される場合は特に,各確率での約分はせず,最終結果だけ約分するほうが楽です。(約分した後また通分するので最初から約分しなければ分母が共通な分,速く計算できる)
このように求める確率は1つでもそれを得るのに3つも計算しないといけません。その分難しく感じるかもしれませんが,今後もっともっと複雑になった問題(たとえばnがらみの確率)を見ると途中の確率を3つ出すだけで求められるのはかなりのメリットです。

 

さて前回は次の内容も教えました。

AかつBが絶対に起きない,つまりP(A∩B)=0のときAとBは排反であるといい,そのときは
P(A∪B)=P(A)+P(B)

これを使った例題も見てみましょう。

例題2

赤玉4個,白玉2個が入った袋の中から無作為に3個の球を取り出すとき赤玉が2個以上とりだされる確率を求めよ。

袋から取り出す球は3個なので赤4個をとることはない。つまり赤2個以上といっても2個か3個である。公式から

「赤2個以上」=「赤2個」+「赤3個」-「赤2個かつ赤3個」

ですが明らかに「赤が2個であり,かつ赤が3個になる」場合は存在しないので単純に

「赤2個以上」=「赤2個」+「赤3個」

で計算できます。

答え6個の球から3個とるやり方は6C3=20通り(でこれらは同様に確からしい)
赤2個のとき
赤4個中2個と白2個中1個を取るやり方は4C2×2C1=6×2=12通りだから
確率は\(\frac{12}{20}\)
赤3個のとき
赤4個中3個とるやりかたは4C3=4通りだから確率は\(\frac{4}{20}\)
よって\(\displaystyle \frac{12}{20}+\frac{4}{20}=\frac{16}{20}=\frac{4}{5} \)

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