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上野竜生です。じゃんけんに関する場合の数や確率の問題の性質をまとめてみました。

場合の数・確率~じゃんけん~

じゃんけんの確率

n人でジャンケンをするとき○○になる確率 と言われれば

\( \displaystyle \frac{n人でジャンケンをするとき○○になる場合の数}{3^n} \)

で求められます。よって確率を求めることは実質,場合の数を求めることとほとんど同じであることがわかります。なので以下では場合の数についてお話しします。

 

 

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n人でジャンケンをするときあいこにならない手の出し方は何通りあるか?

まず,この問題についてよく考えましょう。ジャンケンの手は「グー」「チョキ」「パー」の3種類しかありませんので手が1種類なのか2種類なのか3種類なのかで場合分けして考えます。

1種類なら全員同じ手を出しているので「あいこ」です。

2種類なら「あいこ」ではありません。

3種類ならグーチョキパーすべて出ているので「あいこ」です。

よって

あいこにならない⇔2種類の手が出る

と言い換えることができます。

3種類の手から2種類を選ぶやりかたは\( {}_{3}C_{2}=3 \)通りです。(「グーチョキ」「チョキパー」「パーグー」の3通り)

「グー・チョキ」の場合について考え,その結果を3倍すればいいことがわかります。

1人目はグーかチョキかなので2通り。

2人目も2通り。3人目も2通り。・・・n人目も2通りなので全部で\(2^n\)通りです。

ただし,これは「グーチョキ」の2種類以下の手が出る場合の数です。1種類の場合も含まれています。

1種類になるのは全員が「グー」と全員が「チョキ」のときなので2通り。

よってグーとチョキの2種類の手が出るのは\( 2^n-2\)(通り)

これを3倍するとn人でジャンケンをしたときあいこにならない手の出し方は全部で

\( 3(2^n-2) \)通り と求まります。

n人でジャンケンをしたとき,あいこになる確率

あいこにならない手の出し方がわかったのであいこになる確率は全体\( (3^n) \)からあいこにならない確率をひいて

\( 3^n- 3(2^n-2) \)(通り)とわかります。

よってあいこになる確率は

\( \displaystyle \frac{3^n-3(2^n-2)}{3^n}=1-\frac{2^n-2}{3^{n-1}} \)

です。

ここでこの確率を\( p_n \)とします。明らかにn→∞のとき\( p_n \to 1 \)に収束します。基本的に\( p_n \)は単調増加します(なんとなく直感でもわかるでしょう。人数増えるほどあいこになりやすいですね)が,\( p_2=p_3 =\frac{1}{3} \)となることは少し驚くかもしれません。(2人でジャンケンをしてあいこになる確率と3人でジャンケンをしてあいこになる確率は同じ)。まとめると

\( \frac{1}{3}=p_2=p_3 < p_4 < p_5 < \cdots \to 1 (n\to \infty) \)

となります。

 

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例題

5人でジャンケンをするとき,勝者が2人になる確率はいくらか求めたい。
(1) 1回のジャンケンで「あいこ」にならず勝者が決まり,かつその人数が2人である確率はいくらか?
(2) 「あいこ」にならず決着がつくまでジャンケンを繰り返したとき,勝者が2人である確率はいくらか?

(2)は条件付き確率だとお考え下さい。

(1)手の出し方は全部で\( 3^5=243\)通り。

5人のうち勝者2名を決めるやり方が\( {}_{5}C_{2}=10 \)通り。

勝者の手の出し方は全員グー・全員チョキ・全員パーの3通り。

敗者の手の出し方は勝者の手が決まれば1通りに確定する。よって

\( \displaystyle \frac{10 \cdot 3}{243}=\frac{10}{81} \)

(2)5人でジャンケンをしたときあいこにならない確率は

\( \displaystyle \frac{3(2^5-2)}{3^5}=\frac{90}{243}=\frac{10}{27} \)

よってあいこにならないという条件の下で勝者が2人になる確率は

\( \displaystyle \frac{\frac{10}{81}}{\frac{10}{27}}=\frac{1}{3} \)

 

(2)別解

本解と同様にしてあいこになる確率は\( \frac{17}{27} \)

よってn回目で決着がつき,かつ勝者が2人となるのは
n-1回目まではすべてあいこで,n回目は(1)のような状況になる確率だから

\( \displaystyle \left(\frac{17}{27}\right)^{n-1}\frac{10}{81} \)

これは初項\( \frac{10}{81} \),公比\( \frac{17}{27} \)の等比数列。

よって求める確率は

\( \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \left(\frac{17}{27}\right)^{n-1}\frac{10}{81}=\frac{\frac{10}{81}}{1-\frac{17}{27}}=\frac{1}{3} \)

どちらで考えても同じです(そもそもそうなるように条件付き確率が定義されています)

 

じゃんけんの問題は難しく考えがちですが「2種類の手」のことだと覚えておけばそれほど難しくはないです。

 

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