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上野竜生です。

高校で出てくる因数分解は何パターンかあります。

その中で最初につまづきそうなものといえば2次式でxとyの2変数であり,「たすき掛け」の方法で解くものだと思います。

最終目標としては次のような式の因数分解をすることを考えます。

3x2 +11xy - 4y2 - 5x + 19y -12

ところでその前に!!いろいろな例題を出しますので解けそうか考えてみてください。

因数分解

レベル1:3x2 + 5x - 1 = 0の解を求めよ

これは中学で習った解の公式を使えばすぐに解けますね。

$$ x=\frac{-5 ± \sqrt{25-4\cdot 3 \cdot (-1)}}{6}=\frac{-5 ± \sqrt{37}}{6}$$

ではこれを少し変えて次の問題は解けますか?

 

レベル2: 3x2 + (11a-5) x + (-4a2 +19a -12)=0 を解け

同じように解の公式を使います。

\(\displaystyle x=\) \(\displaystyle \frac{-(11a-5)±\sqrt{(11a-5)^2-4\cdot 3 \cdot (-4a^2+19a-12)}}{6}\)

ここでルートの中身だけ計算しておくと

\( (11a-5)^2 -4\cdot 3 \cdot (-4a^2+19a-12) \)

\(= 121a^2 - 110a +25 +48a^2 - 228a + 144 \\=169a^2-338a+169   \)

となります。つまり

$$ x= \frac{-(11a-5)±\sqrt{169a^2-338a+169}}{6}\\= \frac{-11a+5±(13a-13)}{6} $$

となり,プラスのほうは

$$\frac{-11a+5+13a-13}{6}=\frac{a-4}{3}$$

マイナスのほうは

$$\frac{-11a+5-13a+13}{6}=-4a+3$$

となります。

このようにして解を求めることができるのです。

※注意: \( \sqrt{169a^2-338a+169} =13 \sqrt{a^2- 2a+1} \)ですが\(13 \sqrt{a^2- 2a+1}=13(a-1)\) ではありません

\( a\)と1の大小でプラスマイナスが変化します。ですが今回はプラスマイナスの両方を考えるのでそのことは気にせずに計算しています。

つまり,\( \sqrt{a^2-2a+1}=a-1 \)とは限らないが \( ±\sqrt{a^2-2a+1}=±(a-1) \)は成り立つのです(複号同順とは限らない)

最初の式を降べきの順に整理してみよう

\( \ 3x^2 +11xy - 4y^2 -5x +19y -12 \)
\( = 3x^2 + (11y-5)x + (-4y^2 +19y -12) \)

これはレベル2の問題でaをyに変えただけですからこれをxの2次方程式として解を求めると

$$x= \frac{y-4}{3} , -4y+3 $$

因数分解に関する次の有名な事実を使いましょう:

\(ax^2 + bx + c=0\)の解が\( x= \alpha , \beta \)ならば\( ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)\)と因数分解される

これを用いると目標の式は

$$3\left(x-\frac{y-4}{3}\right)(x-(-4y+3))\\=(3x-y+4)(x+4y-3) $$

と因数分解できました。パチパチパチ。

 

このようにxとaだったら解の公式で因数分解できるのにxとyになった途端にできなくなる人がいます。この方法だと確実に因数分解ができます。文字の違いはあまり気にせずやってみるといいです。

 

おまけ:通常の「たすき掛け」で解くとこうなります。

降べきの順に整理するところまでは一緒です。

\(  3x^2 + (11y-5)x + (-4y^2 +19y -12) \)

ここで下のたすき掛けの方法より\( -4y^2+19y-12 = (y-4)(-4y+3) \)と因数分解できます。

\(\begin{eqnarray} \begin{array}{cccc} 1 & -4 & \longrightarrow & 16 \\ -4 & 3 & \longrightarrow & 3 \\ \hline -4 & -12 & & 19 \end{array} \end{eqnarray}\)

 

すると次の式をたすき掛けで因数分解することになります。

\( 3x^2 + (11y-5)x + (y-4)(-4y+3) \)

\(\begin{eqnarray} \begin{array}{cccc} 1 & -(-4y+3) & \longrightarrow & 12y-9 \\ 3 & -(y-4) & \longrightarrow & -y+4 \\ \hline 3 & (y-4)(-4y+3) & & 11y-5 \end{array} \end{eqnarray}\)

 

よって\( (x+(-(-4y+3)))(3x+(-(y-4))) \\= (x+4y-3)(3x-y+4) \)

と因数分解できます。

このやり方が標準ですがたすき掛けはある意味であてずっぽうなところがあります。たすきにかけた結果がなかなかうまくいかない場合や,係数が60などいろんな分解方法が考えられるとき非常に面倒になりますし,また式がクロスしている分,誤解しやすくなります。なのでたすき掛けが難しいと思う人は解の公式を使ってみると良いでしょう。

 

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