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上野竜生です。高校の高学年になればだんだんわかってくるのですが数Iってあまりすることありません。なのですが低学年の間は難しく感じるものです。今回は2次方程式や2次不等式などの問題の解き方とその応用を学んでいきたいと思います。

2次方程式・不等式 解法と応用例

2次方程式の解法

因数分解できるときは因数分解する:
和がb,積がcである2つの数をα,βとするとx2-bx+c=(x-α)(x-β)=0
と因数分解できるので解はx=α,β
たすきがけ出来そうなときはたすき掛けでも良い(無理して覚える必要はない):
例:2x2+5x+2=(2x+1)(x+2)=0よりx=-1/2,-2

ですが確実にやる方法と言えばやはり解の公式です。なのでこれは絶対覚えましょう。

<2次方程式の解の公式>
ax2+bx+c=0の2つの解は\( \displaystyle \frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}\)
ただし√の中が負になるときは√-1=iとして複素数で表す(数Iではたぶん習わず数IIで習う)

証明もそれほど難しくないです(平方完成してあまった部分を右辺に移項)。ですがこれを覚えられない人が証明からたどって復元できるとは思えないので詳細は省略します。

これで任意の2次方程式が解けることになりました。

以下では解の公式の±の部分をマイナスにしたものをα,プラスにしたものをβとします。(α≦βとなるようにとってるだけです。因数分解のやり方で解を見つけたときは小さい順にα,βとする。

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2次不等式の解法

これはグラフの形をイメージしましょう。2次関数のグラフはxの2乗の係数が正のとき∪の形(下に凸といいます)。負の時∩の形(上に凸といいます)をしています。それを利用して解いていきます。

例題:次の2次不等式を解け
(1) x2-4x+3>0
(2) -x2+3x-2>0
(3) -x2+4x-4<0
(4) x2+4x+5<0

答え(1)「x2-4x+3>0」

x2-4x+3=(x-1)(x-3)=0を解くとx=1,3

グラフをイメージすると∪の形でx軸との交点は1,3

よってy>0の部分だから「x<1またはx>3」

(1)参考図
(2)「-x2+3x-2>0」

両辺を-1倍するとx2-3x+2=(x-1)(x-2)<0 (∵負の数をかけると不等号の向きが変わる)

x2-3x+2=0を解くとx=1,2

よってy<0の部分であり1<x<2

(2)参考図

(3)「-x2+4x-4<0」

両辺を-1倍した式x2-4x+4>0を考える。
x2-4x+4=(x-2)2=0の解はx=2

グラフの形は∪で,x軸との交点はx=2のみだからグラフは次のような形。

よってy>0となるのはx=2以外だからx<2,x>2

(3)参考図

(4)「x2+4x+5<0」

解の公式に代入すると実数解をもたないことがわかる。グラフの形は∪であり,x軸とは交点をもたないのでグラフの形は下の通り。

よってy<0になる部分はなく「解なし」が答え。

(4)参考図

あるいはx2+4x+5=(x+2)2+1≧0より解なし などと解答することもできます。いずれにしても重要なのは

f(x)>0を解くときy=f(x)のグラフを書き,y>0の部分に対応するxの範囲を答える

ということです。不等号の向きが逆でも同様にできます。

これで2次不等式がすべて解けることになりました。1次不等式に比べると少し複雑に感じたかもしれませんがこのあと3次方程式を解くことに比べるとまだまだ楽です。

応用例

例題 x2-ax+12=0はx=3を解にもつ。aの値ともう1つの解を求めよ。

x=○を解にもつということは元の式にx=○を代入すると成立するということです。

答えx=3を解にもつから

32-3a+12=0 ∴a=7

x2-7x+12=(x-3)(x-4)=0の解はx=3,4だからもう1つの解はx=4

例題 y=x2+5x+5がx軸から切り取る線分の長さを求めよ。

切り取る線分の長さとはy=f(x)がx軸とx=α,β(α≦β)で交わる時β-αの部分を言います。

切り取る線分の長さ

答え2次方程式x2+5x+5=0の解は

\( \displaystyle \frac{-5 \pm \sqrt{5^2-4\cdot 5}}{2}=\frac{-5 \pm \sqrt{5}}{2}\)

よって切り取る線分の長さは大きいほうから小さいほうを引いて

\( \displaystyle \frac{-5 + \sqrt{5}}{2}-\frac{-5-\sqrt{5}}{2}=\sqrt{5} \)

例題 不等式ax2+6x+9a≧0の解がすべての実数となるような定数aの範囲を求めよ。

2つの解を持てばその内側と外側で符号が変わってしまい,不適です。なので解は最大でも1つとなります。また最高次の係数によってグラフの形が変わるので場合分けする必要があります。

答えa=0のとき1次不等式6x≧0はx≧0でしか成り立たず,不適。

a<0のとき2次関数のグラフは上に凸(∩の向き)なのでxが大きいときは負の値になり不適。よってa>0が必要

ax2+6x+9a=0の判別式(=解の公式の√の中)が0より大きいと2つの解をもち,その間の範囲でax2+6x+9a<0となるので不適。よって判別式≦0

つまり36-36a2≦0

a>0よりa≧1

このとき条件を満たす

 

 

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